すずめっきの特徴

  • すずは銀白色の金属で軟らかく展延性に富み溶融温度が低いです(231.9℃)。
  • すずは人体に無害なので、食器、缶詰用薄鋼板にめっきされ、はんだ付け性がよいので、電気部品、電線などにめっきされ、固体潤滑材としての効果があるので、機械部品のしゅう動部分にめっきされます。
  • 電気めっきの浴組成は、酸性浴として、硫酸浴、ほうフッ化浴、スルホン酸浴、アルカリ性浴として、すず酸塩浴、ピロリン酸塩浴などがあります。一般的には平滑な鏡面光沢が得られる硫酸浴が多く利用されてアルカリ性浴では光沢めっきができません。
1.硫酸すずめっき
  • アルカリ性浴に比べて、外観がよく、光沢めっきが得られ、めっき速度も速いが均一電着性は劣ります。
  • めっき浴は不安定で、浴温度を上昇させたり、空気によって酸化させたりすると、不溶性の沈殿物を生じ、白濁して、めっき面に、しみやむらを生じ、被覆力も低下します。
  • 無光沢での処理も可能
2.アルカリ性すずめっき
  • スタネート浴とも呼ばれ、ナトリウム塩浴(ナトリウム浴)カリ塩浴(カリウム浴とがあるが、カリ塩浴はナトリウム塩浴よりも電流効率が高く、電流密度範囲も広いです。
  • アルカリ性浴は酸性浴に比べて浴組成が簡単で、排水処理が容易であるが、欠点として、光沢めっきができません。
  • 高温度(60~85℃)で作業しなければならなく、めっき速度が遅い(硫酸浴1/2~1/3)などのため、酸性浴に比べて使用されることが少ないです。
3.浸漬すずめっき(置換すずめっき)
  • 金属にはそれぞれ溶液に溶けやすい、金属になりやすい傾向があります。例えば、アルミニウム上へのすずめっきの場合アルミニウムが溶液中に溶解し、すずがアルミニウム上に浸漬めっき(置換)されます。
引用、参考文献:
『日刊工業新聞社刊 (社)表面技術協会編 表面技術便覧』、
『日本鍍金材料協同組合発行 藤ヶ谷雄章編 めっき技術ガイド改訂版』、『日刊工
業新聞社刊 丸山清著 初級めっき』

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